中国のゼロコロナ政策緩和へ

ゼロコロナ政策を頑なに堅持してきた中国がようやく舵を切り始めている。
日々、やれPCR検査だ、外出禁止だ、何々証明を提示しないとダメだとゼロコロナ政策に縛り付けられてきた人民はさぞかし嬉しいことだと思う。私もベトナムで数か月という短い期間だけであったがほとんど家から出ない生活を強いられた時のことを考えると今でもゾッとするし、日本への定期便運行が始まったときは本当に嬉しかった。

同時に記事にもあるように規制緩和してからあとのことが気になる。世界一、二の人口を誇る中国のことだから一旦感染爆発が起こると途方もない人数が陽性者となり医療は混乱し死亡者もかなりの数に上ることが予想されている。
記事の中で紹介されている数字では規制緩和後数か月の間に55万人ほどの死者が出るのはと述べられている。
ゾッとする数字だ。

ベトナムでもそうだったが怖いのは「慣れ」による油断と慢心だ。もう大丈夫とこれまでの苦労をすぐに忘れる輩はすぐに陽性となって隔離病院送りになる。出て来ても同じことを繰り返す。そして感染を拡げる。
厳しいゼロコロナ政策で失った経済損失、信頼を取り戻す必要がある中国にとってこれからが本当の正念場になる。その道は外出禁止の日々よりも辛く厳しいものかも知れない。

また、今回の規制緩和を引き出した大きな要因として新疆ウイグル自治区で起きたビル火災で隔離されていたとされる多くの人々の命が奪われ、それに呼応するようにして巻き起こった白紙革命が挙げられている。

2022年10月26日に北京で始まった白紙革命は瞬く間に中国全土に拡がり始めた。この動きを中国政府がどのように鎮めるかが注目の的だったがゼロコロナ政策の措置緩和で答えた形だ。一部では鎮圧部隊が出動し天安門の再来を危惧する意見もあったもののそこまでの混乱には至らなかった(今のところは)

この一件で人民は抗議は通ることを学んだ。これは中国にとって大きな転換期の始まりなのかも知れない。

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